いまではシンプルな儀式のあと火葬して納骨堂に納めるのが
一般的な中国都市部のお葬儀ですが、
郊外や農村部に残る昔ながらのお葬儀はけっこうにぎやかなんだそうです。
●お通夜でまずあの世の家の準備
漢族の人々は、あの世にも生活があると考えていますから、
まずは、お通夜で故人が安心して旅立てるように準備をします。
安置されたお棺の横には、「霊屋」と呼ばれるあの世の住まいがおかれます。
これは割り竹を骨にカラフルな紙を貼ってつくったものです。
(霊屋:月刊SOGIより)
お通夜の日は午後からお経を読み「過橋(橋を渡る)」「打城(城を破る)」儀式の後、
旅立ちのための「送金」をします。
あの世に送るためには燃やしきることなのですが、
もちろん、本物のお金ではなく、あの世のための紙でできたお金「紙銭」です。
(紙銭:月刊SOGIより)
ここでの仕送りが多いほどあの世で豊かに暮らせると考えられていますから
遠くの親戚から送られてくることもめずらしくありません。
●燃やして送ってお通夜が終わる
送金が終わると、
家の玄関先に紙で作った車を用意し
(昔はおそらく、馬などの交通手段だったのでしょう)
「お出かけ下さい」と言い、
霊屋をもって街や村のはずれに行き、
それを大量の紙銭と共に燃やします。
すべてが灰にならないと、あの世に送れたことにはなりませんから、
遺族の方は真剣に見守るんだそうです。
(送金のようす:月刊SOGIより)
これと並行して、墓穴を前もって掘っておくといいますから
本当にお葬儀は人手がいりそうですね。
農村のお葬儀、2日目は次回に!