チェコのお葬式:②お葬儀が廃れて、今再び・・・

「如是我聞:世界のお葬式」、チェコのお葬儀続編です。

前回は伝統的なお葬儀を紹介しましたが、現在はまたちょっと変化が。
これからの日本のお葬儀の姿にも重なる気がします。

土葬から火葬へ

多くの国で、様々な理由から土葬から火葬が主流になりつつありますが。
チェコも費用的に安くつくということからその率が上昇し続けています。
もともとはキリスト教の思想から復活のためのご遺体をきちんとのこしておく、ということで土葬だったのですが、法律で火葬がみとめられたこともあり、一般化しました。

共産主義から無宗教、そして無葬儀へ

チェコが共産主義政権下だった時代、伝統や宗教は否定されましたが、それは同時にお葬儀も変えてしまいました。
死者の業績をたたえ、お別れする、火葬する・・という流れになり、墓も軽視されるようになりました。
資本主義になった今も、その影響は大きいようです。

無神論者が半数以上の現在、墓をもたない家族も多く、遺体焼却を依頼し遺灰は散骨することが普通で、あるいは引き取らない家族もあるとか。
来世や、あの世がなければそうなってしまうのでしょうね。

再びお葬儀を大切に

とはいえ、そういったチェコの人々の中には、死後のことを真剣に考え、宗教に目を向け、再びお葬儀を大切にしようという動きもみられるそうです。

火葬や簡略な葬儀が話題に登っている日本の葬儀業界の一員として、いえ、日本人として、地球の裏側のチェコの人々の姿から、何かを学ばされている気がしました。

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