忘れられない・・と言えば、演出や大きさから心に残るお葬儀ではなく、
当日を終えるまで苦労したお葬儀のほうがどうも記憶に刻まれています。
このお葬儀もその一つですね。
喪主様が悲しみのあまり、何も決めることができない・・というケースでした。
特に家の中を全部仕切っていた方御主人が歳をとって亡くなられ、
その奥様が喪主に。
何度打ち合わせをしていても
「私はこれからどうすればいいのかわからないし
ましてお葬儀なんとても仕切ることなどできません」
の一点張りでした。
決まるものもなかなか決まらず、
担当スタッフだった高木君の困りようにこちらも心配していました。
それでもなんとか彼の不屈のリードもあり、無事お葬儀は終わりましたが
あとで意外な事実を知りました。
喪主である奥様は、御臨終からご出棺の直前まで、
それこそ打ち合わせの時間以外はずっと故人に寄り添っていたのです。
通夜の夜も灯火も線香も絶やさず、それこそ徹夜でした。
お歳もお歳ですし、なかなかそこまでできる方はいません。
「そんなお姿に、頑張って支えて差し上げなくては、と思って」
最後まで仕切りきれなかった喪主様でしたが
故人を大切にされる喪主様の心に周りが動いた、そんなお葬儀だったのでした。