中国の昔ながらのお葬儀。
無事、お通夜がすんで数時間後2日目の朝です。
●お棺の前に朝食の用意?
朝、お棺の前にはろうそく・お茶・食事・洗面用具などが供えられます。
いよいよ出棺の前に、故人も出かける準備をしてもらうということなのでしょうか。
そのお供えが終わったあたりで、故人の近親の女性たちがお棺の前で泣き始め、
その泣き声を合図に2日目はスタートします。
出棺の正午ごろまで、
見送りに来た親戚・友人たちは用意された食事を入れ替わり立ち替わりとります。
そして正午の出棺になると、長い野辺送りの行列(送葬)がスタートします。
●長くにぎやかな中国の野辺送り
野辺送りといっても、日本のしめやかなそれとはちょっと印象が違うかもしれません。
先頭には爆竹で道を開く人、旗と提灯を持つ隊列、位牌と香炉を置いた「魂轎」、楽器の隊列、
大量の花輪の隊列、数種類の踊りの隊列、親戚と友人から頂いた品物を担ぐ隊列、
お棺とそれを囲む遺族、その後ろに親しかった人たち・・・と続きます。
隊列に参加する親戚は「孝服」と呼ばれる麻や木綿の白っぽい服を身につけますが、
他の参列者は特に喪服というものは身につけません。
そしてお棺の上には、直射日光にさらされないようにと鮮やかな色彩の布がかけられます。
そして男性なら龍、女性なら鳳凰の飾りものせます。
(写真はいずれも月刊SOGIより)
華やかでにぎやかなほど、先祖の供養となると言われています。
それが民族楽器の音が鳴り響く中、埋葬地に向かうのです。
●「再見」「再来」は禁止
前日に墓穴を掘っておいた埋葬地につくと、いきなり埋葬はせす、
あらかじめ計算されていた吉時、吉方に埋葬を行います。
土を盛り上げ、土饅頭の形にした墓に向かって
全員がひざまずいて礼をしたあと、
ぐるっと一周周って「魂轎」や提灯を持って帰ります。
「魂轎」は自宅に帰ってから燃やします。
葬式の列は葬家に戻ってきますが、
そこで喪主が用意した手土産を持って言葉少なに三々五々自宅にもどっていきます。
さようならにあたる「再見」「再来」は「再」の字がはいっているため、
日本の「また」「ふたたび」「繰り返す」と同じように忌み言葉なんですね。