モンゴルのお葬式③変わる葬儀社の役割

世界のお葬式事情「如是我聞」
モンゴル
の3回目です。

最近はさらにお葬儀も変化して葬儀社の役割も変わっているようです。

●シンプルな墓地・あっさりな?お参り習慣

モンゴルの墓地は意外とシンプルで、
土を掘って棺を入れ、土をかけたあと、
その上にその人の故郷から運んできた石に刻銘したものを置きます。

お墓の場所は、カザフ族はすんでいるところに比較的近い場所ですが、
大多数のハルハ族は居住地から遠い場所に作り、
両親が亡くなった場合は3年間はお参りできない、というしきたりがあります。
日本ほど頻繁にお参りという習慣はありません。

自然に還す、自然に帰るという意識が根底にあるので、お墓やお参りも
こんな形になるのでしょうか。

ちなみに、チンギス・ハーンは自分の埋葬場所がわからないようにとの遺言を残し、
いまだにそのお墓の場所は定かではないのだそうです。

●徐々に増える「火葬」、葬儀社も変化

今、モンゴルでは土葬が一般的ですが、墓地も徐々に足りなくなってきていることもあり、
「火葬」もおこなわれるようになってきています。
立派な火葬場も郊外に建設され、多くの僧侶がお経をあげる光景がみられるのだとか。

また、葬儀社の役割も変化してきているようです。
今までは、葬儀についても、病院からの引き取りや墓掘り、通夜やお坊さんとの連絡も
親族でおこなうのがほとんどで、
葬儀社は埋葬関係の書類の手続きや、必要な棺などの販売にとどまっていました。
最近は徐々に日本の葬儀社のような役割をになう葬儀社も出てきています。

モンゴルでも中国のように富裕層が増えているので、
実はお葬儀にお金をかけ、豪華にする人も増えているんだそうです。
それが昔からのしきたりとあっているかどうかはともかく、ですが
お葬儀業界のマーケットが広がってきているともいえますね。

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