モンゴルのお葬式①お経と鳥が故人を導く?
久しぶりに世界のお葬式事情を。
今回はモンゴルです。
民族的にも宗教的にも実は近いモンゴル。
最近はお相撲の力士もたくさんいて、すごく身近になった気がします。
お葬儀にもちょっと似たところもなくはありません!?
今回は伝統的なお葬儀についてお話しましょう。
●日本にない「風葬」が残る
土葬はかつて日本でも行われていたことがある方法ですが、
モンゴルでは「風葬」も伝統的なお葬儀の方法です。
都市部以外ではまだ残っているところがあるそうです。
「風葬」というのは、ご遺体を放置して、
猛禽類やオオカミに食べてもらうというものです。
ええ?と思うかもしれませんが、
遊牧の民のモンゴルの人々にとって、遺体を自然に帰すための理にかなった方法なのです。
早くご遺体がなくなるほど、喜ばしいことと考えられているのです。
布(フェルト)に巻いて、ご遺体を馬車に乗せ、お坊さん(ラマ)と御者で
猛禽類やオオカミの多い山のほうに行きます。
人里離れたところにさしかかったところで、
馬車から自然にご遺体が滑り落ちるように荷台を調整し、
ご遺体が落ちたところで、馬車を停め、お経をあげてもらいます。
落ちたところはその人の帰る場所だと言われているのです。
7日後に、遺族はお坊さんからその大体の場所を教えてもらって、探しに行きます。
見つからなかったら、その人は罪が軽く、
無事、鳥やオオカミにあの世に連れて行ってもらったことになります。
もしも、ご遺体が見つかってしまったら・・・一度道具で場所を動かします。
風葬の場合は死者を自然に返したので、お墓参りのようなことはないのだそうです。
●魂の節目。大切な四十九日
日本でも重要な法要を行う「四十九日」ですが
仏教国でもあるモンゴルでも重要な日とされています。
魂が一度、自分たちのところに帰ってくるという言い伝えの地域もあり、
親族一同が集まって会食をするところもあります。
今回ご紹介したのは昔ながらのお葬儀ですが、
都市部ではまたすこし事情・習慣もちがってきているようです。
また次回にお伝えしますね。