「如是我聞:世界のお葬式」、今回はチェコのお葬儀です。
中央ヨーロッパの中にあるチェコは、宗教もユダヤ教とキリスト教、しかもキリスト教もカトリック・プロテスタント・ギリシャ正教のそれぞれの影響があります。
また経済も共産主義国家から資本主義国家になった影響も大きい・・・
とても様々な要素が混じりあった文化の国ですね。
でもどこか、日本の風習と共通点があるなぁと感じるのは僕だけでしょうか。
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日本の「隣組」のような「扶助組合(ヘブラー・カッディーシャー)」
チェコのユダヤ教の人々のあいだには「人はひとりで死んではならない」という意識があり、扶助組合の人々で本人や遺族のケアを行ってきています。
それは、なくなった方のご遺体のお清めや、お葬儀の執り行いまでいたるようです。
シンプルな死装束にシンプルな柩
つい、ヨーロッパでは柩に入る服装は自由と思いがちですが、チェコの死装束は白い布で作られた簡素なものなのだそうです。
また、柩も板を使ったシンプルなもの。
これは、死者を金持ちや貧乏人などと区別してはならないと考えられてきたからとか。
お葬儀は「死も神の決断でうけいれるしかない」という意味の祈りを捧げ、葬列を組んで墓地までご遺体を運び土葬します。
そのあと教会で礼拝のあと、遺族と親族での食事会を行います。
1年間は忌中と喪中?=シュロシム
葬儀を終えた遺族は喪に服します。
最初の一週間は仕事も家事も一切してはいけないという厳しさ。
もっぱら悲しみと向き合う期間なんですね。
そのあとは約一年間は弔いの期間とされています。
お葬儀の一年後に聖書の言葉等が刻まれた墓石を立てます。