ブラジルといえば、日本からの移民が多いので、
お寺もけっこうあるのでは、というイメージをもたれるかもしれませんが
必ずしもそうではありません。
お葬儀は「お経の読める」二世の一般の方が「仏教式」で行い、
街には「日系仏教グッズ」が売っていて、
お寺には日本人移民の功労者が祭神としてまつられており、
ご本尊は仏像とは限らない・・・というのが今の状態だそうです。
何故このような形になったのか・・・。
それはまず、移民がはじまった当初ブラジル社会では
キリスト教以外の宗教に対して強い反発あり、
仕方なく一般のかたがたが自分たちで、
お墓も位牌も作り、お葬式もとりおこなってきたという
期間が長かったことが大きいのだそうです。
また、当時は移民は転々と住居と農地を変えていたので
心のよりどころとして
お墓を守ることも、寺らしいものを建立することも難しかったのだそうです。
戦後、あらためて様々な日本の宗教家がブラジルを訪れましたが
「苦労していた時にではなく、生活が安定してきた今頃何故?」
と受け入れる側の戸惑いが大きかったようです。
結局日本のきちんとした形では残ることなく、
「日本的な」「仏教風な」ものとしてとどまってしまったといいます。
ブラジルの人々のこういった状況を聞いて、
なんとなく寂しい気がするのは僕だけでしょうか。