子どもの味方?みんなの味方?のお地蔵さま

お地蔵さん、おじぞうさま、というと、田舎の道端に赤いよだれかけをして並んでいたり「とげぬき地蔵」「水子地蔵」など街中に祭られていたり昔話にも登場したり・・・と頭に浮かべる方も多いことでしょう。

観音様に次いで親しみのあるこのお地蔵さま、正式には「地蔵菩薩」さま、つまり如来に次ぐ地位の仏様です。
元々の恰好はこんな感じ。

恐山の石像

修行中のお坊さんのすがたで白毫があり、袈裟を身にまとい、左手に如意宝珠、右手に錫杖(しゃくじょう)を持つかまたは左手に如意宝珠、右手は与願印という印相をとる像が多いです。

なんで修行中のお坊さんの姿?と思われると思います。
あえて、
「生きとし生けるものを救いとって(一斉衆生済度の請願)からでないと自分は仏の世界に帰りません」
との決意でこの世にとどまり、多くの魂を救って旅を続けている
、のがこの姿なのです。

特に、親より先に亡くなった幼い子供の魂を救うというのは有名な話です。

親を悲しませ、親孝行の功徳も積んでいないことから、そういった子どもの霊は、三途の川を渡れず、賽の河原で鬼のいじめに遭いながら石の塔婆作りを永遠に続けているのですが、

そこに足を運んで鬼から子供達を守ってやり、仏法や経文を聞かせて徳を与え、成仏への道を開いていくといわれています。

道端のお地蔵さんに赤いよだれかけがかかっているのは子どもを失った親が、
「うちのこどもはこんな匂いなんです。どうか見つけて救って下さい」と
お願いしてかけたのが、形だけ残ったものなんですね。

道端の六地蔵さま

この他にも「弱い者の味方」ということから「**観音」さまに並んで、「○●地蔵」さんも無数にあります。
ちょっと現世利益なものが多くてこれまた人間は勝手なものだなぁ、と思ってしまいます。

関連記事