北枕の話が出たところで、実際のお葬儀での話をしましょう。
枕飾りとは、故人を病院から自宅などに連れ帰ってお葬儀まで安置する際に
お参りできるようにつくる仮焼香台のことをいいます。
正確には宗派によって多少の違いがありますが、
関東だと、おおよそこんな感じのものです。
故人を仏式・神式なら、北枕か西枕に
きれいなシーツのかかったおふとんの上にご安置して、
そしてその横に設置するものです。
仏式だと燭台、香炉、おりん。
香炉には線香を1本または3本、燭台にはろうそくを立てます。
香りは仏様へささげるものであり、身を清める意味もあります。
ろうそくは真実をあきらかに照らすものとされます。
これに加えて枕花を注文される方も多いです。
香炉に立てる線香の数は正式には3本で、
これはあの世に旅立つため、
仏(仏さま)・法(仏様の教え)・僧(仏様の教えを守る仲間)に帰依する(大切にする)
ことを表しています。
ろうそくの火や線香はあの世の旅先を照らすもの。
あかりを絶やさないように、とされていますが、
火事になっては大変なので、
せめて香りを絶やさずにするために「うず巻き線香」をおすすめしています。
これだと12時間くらい持ちます。
(価格:700~1500円くらい。台400円~1000円くらい)
その他に、湯飲み茶碗かコップに入れた水、一膳飯、枕だんごなどを飾ります。
枕団子の数は6個。
これは地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の六道の地蔵菩薩様へのお供え物です。
一膳飯は自分、つまり故人の分です。
※うちだと、そのあとの葬儀を担当するしないにかかわらず、
スタッフが机・白布も含め、ひとそろい常備しているものです。
(参考価格:25,000円、幕ありの場合は50,000円。
神式・キリスト教式も同価格。)
これで御家族やご弔問の方に焼香(玉串奉奠、献花)いただけるようになります。
ご葬家にとっては、ちょっと一息ですね。