「エンバーミング」という言葉、ご存知ですか。
日本では最近使われ始めた言葉で、ご遺体の保存・修復の技術のことを指すのですが、
亡くなったあとの薄化粧、つまり「死に化粧」をプロにやってもらうことをそう呼んでしまっている場合もあります。
これはちょっとちがいます。
本来の「エンバーミング」はもともと、エジプトでミイラを作る際に「イル・バルサム」つまりバルサム油に遺体を浸したことが語源です。
宗教的な理由や伝染病を防ぐ衛生上の理由から行われていました。
そして(当時のキリスト教の指導から)土葬が主流で、戦争などで亡くなった方を遠隔地から移送することが必要だったので移動時や埋葬時まで関係者が体液や細菌で感染したり、不快に思わないための様々な遺体の保存処置や損傷部分の修復の技術が発達することとなります。
欧米では、医学(解剖学、組織学、公衆衛生学など)の知識が必要な専門職として教育制度も確立されています。
移送にあたり、エンバーミングを義務付けている州もあります。
さて、日本は、というと・・・
国土が狭い上に、遺体を保持する宗教上の必要もなかったことから、また亡くなって数日後の火葬が現在は一般的なのであまり必要とされなかったんですね。
現在、専門学校や技術の講習もありますが、公的に認められ・普及するにはまだ時間がかかりそうです。
そういったことからも、本式のエンバーミング、実は費用は20万円を超えます!
なんらかのご事情で数週間お預かりする場合はお勧めをしていますが、葬儀まで1週間程度であれば、「エンゼルケア」後の安置室でのお預かりで十分かと思います。
ん?「エンゼルケア?」と思われた方、また追って次回ご説明しますね。
この記事を書いた人
株式会社AZUMA代表取締役
ご葬儀は、故人から遺された方たちへの最後のあいさつの場であり、そして贈り物です。そこに集う人々がこころゆくまでお別れができる葬儀を常に探究。コラムやYouTubeなどでも葬儀に関する解説などを積極的に配信しています。