8月もとうとう、夏休み、お盆休みにはいりましたね。
僕たち葬儀スタッフのほうは交代でお休みをいただく形になります。
お葬儀におやすみはないので・・・。
むしろ、暑さの厳しい日が続くと忙しくなります。
さて、「お盆」と言いますが、一般的には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」のことをさします。
(実は、「地蔵盆」という行事もあるんです。これはまた次回に。)
盂蘭盆とはサンスクリット語の「ウランバナ」からきており、
直訳すると「吊るされた状態」をさします。
亡くなった人は決して楽な状態ではなく、中空に吊るされたように苦しい思いをしている、
その亡き霊を供養して、少しでも楽にしてあげよう、というのが本来の意味なのです。
盂蘭盆経という経典のなかにもその逸話があります。
お釈迦様の弟子の中の神通力が最もあると言われていた目連尊者が
その神通力で亡くなった母親の姿を探すと、優しかった母は、餓鬼道に堕ちていました。
尊者はびっくりして、悲嘆にくれ、
お釈迦様になぜなのでしょうか、どうしたらいいのでしょうかと尋ねると
「お前が幼い頃、『これは目蓮のものだから』と水を他人には飲ませようとしなかったので、
それが高じて執着となり、その報いを受けて、
水や食べ物が、ことごとく口に入る直前に炎となってしまうところに落ちてしまったのだ」
「夏の修行の最後の日に修行僧たちに食べ物を施せば、その功徳がまわしむけられて
母親にもその施しの一端が口に入るだろう」
との言葉をもらいました。
その通りにすると、その功徳が餓鬼道に堕ちている者たちにも伝わり、
母親の口にも食べ物飲み物が入り、ひと時の平安を得ることができました。
お盆は盛大にというのはこういったことからきているんですね。